環境・資源課題きれいな飲料水の安定供給とともに 人々の暮らしも変えるWHO(世界保健機関)の発表によると、下痢症で命を落としてしまう5歳未満の乳幼児は世界で年間約52.5万人(2017年)にものぼり、安全・安心な水への恒久的なアクセスは喫緊の課題です。当社は「緩速ろ過」という自然界の水浄化機能をベースにしたシンプルな構造の「ヤマハクリーンウォーターシステム(CWS)」でこの課題に取り組んでいます。 20年以上前から開発を進めていたCWSは、大きな電力を必要とせず専門の技術者によるメンテナンスが不要なため、住民による自主運営が可能な浄水システムで、河川や池の水を「安全・安心な水」に 変えられます。過去にCWSを導入した集落では、下痢、発熱、腹痛、皮膚病の発生を著しく減らすことができました。また、きれいな飲料水を安定的に供給できるだけでなく、CWSの設置により水汲み作業からの解放による生産・学習活動への転換、水配達や清浄・製氷 などのビジネスによる村落開発など、暮らしに様々な変化が起こっています。 2019年には、セネガル川流域に10基の設置とセネガル政府への引き渡しを行いました。近隣住民に向けた紙芝居での啓発活動では、350人ほどの子どもたちが「安全な水を飲もう」というメッセージに熱心に耳を傾けてくれるなど、当社の取り組みは現地住民の衛生概念の向上にも寄与しています。当社は、外務省や経済産業省、JICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構)などの公的機関、UNDP(国連開発計画)などの国際機関との連携・協力によってCWSの導入を進めています。29Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020
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