ヤマハ発動機 統合報告書2020
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社会価値の創出に向けて 持続的成長の実現に向けては、2019年に、当社の強みを活かしながら解決することができる重要な社会課題(マテリアリティ)を「環境・資源課題」「交通・教育・産業課題」「イノベーション課題」「人材活躍推進課題」に特定しました。これらもすべて当社のブランド価値、ひいては企業の存続に直結するものであると考えており、マテリアリティに沿った各種取り組みに注力していく考えです。特に、排気ガスを伴う製品を展開するメーカーとして、環境への対応はマスト項目であり、前述の通り、製品のCO2排出量の低減に取り組むとともに、電動モビリティの開発も積極的に進めていきます。 また、当社が多様な事業の中で培った技術やノウハウ・知見を活用することで地域社会に貢献している事例として、新興国・開発途上国における「クリーンウォーター事業」やアフリカをはじめとした漁業近代化の取り組みが挙げられます。 これらについても、社会課題の解決に貢献するだけではなく、地元の方たちとの信頼関係を築き上げる過程でブランド価値の向上に寄与し、長期的には企業価値の向上につながるものと考えています。 マテリアリティの中の「イノベーション課題」については、当社の長期ビジョンを達成する上でも欠くことのできない、成長の基盤となる課題であると認識しています。今後は新たなモビリティの開発や、人手不足を補うロボティクスを活用したソリューションの提供などに取り組んでいきます。当社のモノづくりには、「人機官能」という独自の開発思想があります。これは「人」と「機械」を高い次元で一体化させることにより、「人」の悦び・興奮をつくり出す技術を指します。官能性能を定量化しながらつくり込み、それを製品に織り合わせていくのですが、例えばオートバイをつくり込む際には、最後に実験ライダーが徹底的に乗りこなし、確認しながら改良を重ね、感性に馴染む応答や心地良い操作、信頼感をもたらす挙動などを実現しています。「イノベーション課題」の解決に向けても、私たちは人の五感に訴えるところを徹底的につくり込んでいくことに変わりはありません。これからもコア技術、「人機官能」思想を製品に落とし込み、「感動創造企業」として技術と感性で 新たな価値を社会に提供していきます。 また、「発、悦、信、魅、結」のうち「信」や「結」に通じますが、人の感性に訴える、感動を創造するという点を今後当社はモノ(製品)で表現するだけでなく、コトでも体現していきたいと考えています。例えば、先進国のマーケティング活動で「bLU cRU(ブルー・クルー)*2」というサポートプログラムを展開しています。ヤマハオーナー様のモーターサイクルライフをさらに豊かにするための「全方位サポート」を最大の特徴とし、そのコミュニティを利用してお客様と当社、ならびにお客様同士の接点を増やし、ブランドスローガン「Revs your Heart」にも込めた想いである「心躍る瞬間、そして最高の経験を届けたい」を体現しています。今後アジアや新興国において顧客の所得が増加し、生活水準が高まる中で、日々のコミューターから趣味のツールへとバイクの役割がシフトしていく際にも、このような活動は応用できると考えています。 これらの取り組みを通じて、当社はブランドレピュテーション、ブランドバリューをつねに維持改善していくことにより、お客様に選ばれ持続的な成長を実現する企業を目指していきます。*1 インターブランド社が提唱するブランド強度測定手法。*2 ヤマハモーターサイクルを使用する、アマチュアライダーを対象としたレースサポートプログラム。社長メッセージ16持続的な成長に向けてYamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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