ヤマハ発動機 統合報告書2020
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株主還元の方針  当社は、株主の皆様の利益向上を重要な経営課題と位置付け、企業価値の向上に努めています。配当につきましては「安定的財務基盤を維持・強化し、新しい成長投資・株主還元を増やす」ことを主眼に、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を配当性向の目安としています。2019年12月期の配当金については、この目安を上回る年間90円 (中間45円、期末45円)とさせていただきました。なお、2020年12月期の配当につきましては、上期は厳しい状況が想定されますので、手元流動性確保のため中間配当を見送りとさせていただきました。期末配当は見通しが可能になり次第、速やかにご報告いたします。さらなるブランド価値の向上 当社は「感動創造企業」を企業目的に掲げており、つねに「新しい価値の提案による新しい感動を期待される会社」でありたいと考えています。楽器やオーディオ製品のヤマハ株式会社をオリジンとする当社は、消費者視点の開発発想で人間の感性に訴えるモノづくりに取り組んできました。ヤマハブランドとして、私たちが提供する「感動」とは人の感性に訴える感動であり、ヤマハ株式会社とは合同ブランド委員会を運営し、ブランドとしての方向性や価値を測る代替指標、その目標値も共有しています。 当社はブランド価値の向上を重要な経営課題の一つと位置付けています。前述の電動化をはじめとした技術の発展に伴い、製品のスペック、ハードウェアの性能での差別化が難しくなってきている中で、お客様はブランドに対する信頼や結び付きでモノを選ぶようになると考えており、ブランドの重要性は今後ますます高まっていくと見ています。歴史的にヤマハブランドができて130年近く、オートバイを手掛けて65年が過ぎていますが、ブランドとしてお客様の信頼を勝ち得てきた品質や私たちがつくり出す価値へのこだわりが認められているからこそ、現在のブランド価値を獲得できており、これが当社としての強みだと認識しています。 当社には、「ヤマハらしさ」の根源となる要素を明文化した「発、悦、信、魅、結」という共通価値が存在しています。この5つを徹底的に磨き、企業活動や事業活動のすべてのプロセス、すべての階層にその「ヤマハらしさ」を落とし込むことが、お客様の期待に応える術であり、競争力をさらに高めていく糧になると私は確信しています。ブランド価値の向上を目指す社内の代表的な取り組みとして、ブランドに対する理解・浸透を図る活動とともに、定量的な指標である「ブランドストレングススコア(BSS)*1」による測定があります。4つのインターナル指標と、社会や顧客の6つのエクスターナルな指標で構成されるブランド強度を測るものです。インタビュー形式で競合他社とのポジショニングをつねにリサーチし、製品ごとに各国での強みや弱みを明確化することにより、毎年アクションプランを見直し、スコアの動きを見ながら、PDCAを回しています。なお、2020年には、品質のガバナンス強化および安全性・法規適合性を担保するための体制強化を目的に、ブランドイメージに直結するリスクを最小化し持続的な企業価値向上を図るための組織として、品質保証本部を設置しました。15Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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