ヤマハ発動機 統合報告書2020
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成長戦略の推進基幹事業における新たな挑戦 「MOTOROiD」やLMW製品に代表される「めざせ、ころばないバイク。」への取り組み、EVの開発・商品化の推進、マリン事業における自動操縦に向けた取り組みなど、様々な挑戦が進んでおり、成果も表れ始めています。 現在、輸送用機器業界では、CASE領域への対応が喫緊の課題となっています。この中で「電動化」が一つのキーワードとなるわけですが、当社は2050年までに自社製品からのCO2排出量を50%削減(2010年比)することを目標に掲げ、その一環として、バイクの電動化をはじめとした電動製品の製造・販売を推進しています。当社はもともとエンジン開発に強みがあり、重要な差別化要素となっていることから、輸送機器業界における電動化は、当社の存続を脅かすリスクにもなり得ます。しかし、「人が移動する」というニーズ自体は、変化はしたとしても、なくなりはしないでしょう。移動に対する価値観の変化は、このたびの新型コロナウイルス感染症の世界的流行の 影響も相まってより多様化すると考えていますが、市場やお客様のニーズを見極めながら、電動製品が主体となったときでも着実に収益を上げられるような収益モデルをできる限り早期に構築したいと考えています。そのため、EV関連の投資は、 基幹事業枠として最優先課題として位置付け、絞ることはせず進めていきます。新規事業の開発推進 2030年までに新規事業を存在感あるものに育てることを見据え、本中計の3年間をオポチュニティを見極める時期、その後の3年間を選択した領域に経営資源を集中投入する時期、さらに次の3年間を新規事業が収益に貢献し始める時期、とのステップを想定していました。私自身の過去の経験から、これが現実的な時間軸であるとの考えからです。しかし、今回新型コロナウイルス感染症の世界的流行という非常にインパクトのある外部環境の変化により様々な社会課題が浮き彫りになる中で、新規事業のオポチュニティの見極めを前倒しで行い、モビリティサービス、LSM、農業、医療の4つに取り組みの領域を絞り込みました。今後、この4つの領域に集中して経営資源を投入し、事業化とスケール化を目指していきます。2020年12月期の見通し 2020年2月に実施した本決算説明会では、経済の先行き不透明感が強まり、景気に後退感が出ている環境と、2019年12月期の業績を踏まえ、2020年12月期は「既存事業の収益性回復」に軸足を置き、各事業・機能と連携し進めていく考えであることをお伝えしました。 しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行は経済や事業活動だけではなく、人命にも多大な影響を与えています。当社も、需要を見極めた生産コントロールや、徹底的な経費・投資支出の削減などの対策を打ちました。 また、国内では樹脂製フェイスシールドや除菌洗浄水の 製造と医療機関への提供を行ったほか、海外でも医療従事者への二輪車寄付や無償レンタル(タイ、ドイツ、スウェーデン)を行うなど、事業を展開する各地域での寄付や支援活動を積極的かつ迅速に展開してきました。 当社は近年においても、タイにおける大規模な洪水被害、 国内で発生した東日本大震災や集中豪雨など、サプライチェーンを寸断する危機を幾度も乗り越えてきました。その過程で、サプライチェーンの維持をはじめとしたBCP(事業継続13Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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