ヤマハ発動機 統合報告書2020
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厳しい外部環境を乗り越えて 社会・環境との調和を図りながら 人々の豊かさや幸福感の実現を目指します。2019年12月期の総括 2021年12月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画 (以下、本中計)の初年度となる2019年12月期は、売上高は、マリン事業、金融サービス事業で増加した一方で、ランドモビリティ事業とロボティクス事業(M&Aの影響を除く)は減少し、全体では減収となりました。営業利益は、先進国二輪車での 欧州・本社生産の稼働率上昇や構造改革、インドネシア二輪車での高価格商品増加による収益性改善が進みましたが、 ロボティクス事業(M&Aの影響を除く)などの売上高の減少、成長戦略経費の増加、為替影響などにより、全体では減益となりました。 本中計では、「既存事業の収益性の確保・改善」で稼ぎ、「将来の成長のための投資・挑戦」を進めていくことを打ち出しました。ベクトルの違う両輪のバランスは難しく、前者では成長戦略費用および為替影響を除くと、前期並みの収益を確保することはできたものの、思うような成果を得ることはできませんでした。他方、後者では様々な種まきを進めることができました。本中計においては、これまで進めてきた成長戦略をさらに一歩進め、経営資源を投入し加速させる方針でいますが、それを支えるほどに既存事業のパフォーマンスを上げることができていないのが現状です。2019年12月期の業績については、成長・基盤強化の費用が重荷になった形であり、限界利益の増加を経費の増加が大きく上回りました。 事業別に見ると、ランドモビリティ事業における先進国二輪車は欧州の販売増加とそれに伴う本社限界利益の増加により収益が改善したものの、新興国二輪車では市場環境や競合環境によりベトナム・台湾・インドの販売数が減少したことに 加え、フィリピンの物流オペレーション問題も影響し減益となりました。なお、リーマンショックを契機とした世界的金融危機の発生以降課題となっている先進国二輪車の構造改革については、本中計期間中に、具体的な施策を実行に移していく方針です。 また、マリン事業では船外機の大型シフトが継続しており、売上面ではほぼ想定通りの進捗である一方、利益面では為替の影響を大きく受け、減益となりました。ロボティクス事業は、2019年2月に当社と株式会社新川およびアピックヤマダ株式会社の事業統合によりヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社を設立したことで増収となったものの、 米中貿易摩擦の影響で需要低迷が続き、利益は大きく 減少しました。なお、2020年4月には、同社を完全子会社化しています。今後、迅速にPMI(Post Merger Integration)を 進め、同社の経営スピードを高めることで、当社との一体経営のもと、ロボティクス事業全体の収益性の向上につなげていきます。11Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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