YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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ヤマハ発動機の売上の9割は海外です。海外にあるグループ会社は90社を超え、世界では約7万人の従業員が働いています(正社員・正社員以外を含む)。このような状況の中、全世界共通の幹部および社員育成プログラムの開発・運用、競争力ある人材を育成・登用するためのグローバル人事ポリシーの導入、グローバルな経験・見識を生かす組織づくりを進めています。また、グローバルな舞台での経験や未来に向けた知識をさらに提供するべく、「GEP」(Global Executive Program)という育成プログラムを立ち上げました。これまでに延べ15カ国・56名の参加者がこの少数精鋭プログラムに参加しています。最近では、「YBS-G」(Yamaha Business School Global)という、多様性に富んだ環境のもとで、未来の幹部社員のための研修プログラムも開設しました。国籍や原籍を問わず、優秀な人材の経営幹部への登用を促進し、海外子会社の経営幹部層についてはローカルタレントの割合を6割に引き上げることを目指します。2015年にはグローバル人材開発部を設置し、ヤマハブランドを体現するグローバルタレントの育成に当たっています。同部は、世界のグループ会社に適切な人材を適時かつ適切なポジションに配置するという役割も担っています。そのために世界各国のグループ会社の経営幹部職の職務をグローバル共通の基準・プロセスを用いて評価し、一元的に把握することができるようにしました。グローバル人材の育成と配置の仕組みグローバル人事活動の原形は、第1回GEPが行われた2012年に始まりました。翌年7月には、本社にて第1回の年次グローバル人事ミーティングを開催。その席で、グローバル人事の枠組みが設定され、活動内容が特定されました。2014年には、グローバルの幹部職位について標準化されたグローバルグレーディング(職務評価方法)を開始。状況に合わせた後継者育成活動が実施されました。以来、これらの活動は微調整が行われ、現在、HRIS(人事情報システム)内で見える化されています。育成に関しては、2014年にRDP(地域育成プログラム)が開始。これは各地域のタレントを対象にしたもので、将来的にYBS-GやGEPに有能な人材を供給するための準備を行うことを目的としています。これら3つの育成プログラムを組み合わせ、有意義かつ体系的なグローバル人材育成ピラミッドを形成しています。 このほか、「ヤマハブランドを体現する人づくり」のため、当社固有のコンピテンシーに基づいた、育成サイクルモデルがあります。また、YEPは現在、地域・階層共に拡大中。当社は、グローバル化の機会をとらえ、これをさらに強化するとともに、より多くの社員に、他のグループ会社での挑戦や、やりがいのある職に就く機会を与えています。これにより、社員個人、そして会社の双方が利益を享受することになります。 最後に、グローバル人材開発部は、グローバルコミュニケーション強化と銘打ったプロジェクトを開始。本社およびグループ会社にてグローバルなコミュニケーションを推進するため、英語および異文化スキルの改善を計画しています。変革に向けたグローバルコミュニケーションは成功への鍵であり、当社の長期ビジョンにも一致しています。MANAGEMENT INTERVIEWヤマハ発動機・グローバル 人材開発部長 Melanie Tups価値創造を支える活動人材育成Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201852

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