YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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価値創造を支える活動デザインデザインの意味は広義になってきており、もはや製品をスタイリッシュに見せることだけがデザインの役割ではなくなっています。私たちは、組織や人づくり、仕事の仕組みを含めてデザインすることが、ヤマハブランドをデザインすることにつながると考え、取り組みを進めてきました。特に注力してきたのが「デザインの仕方をデザインする」ことです。デザインは企画やコーポレートデザイン、ブランディングなど広範囲な機能をもつという私たちの考えは、デザイン本部の人員構成がデザイナーと非デザイナーの半々となっていることにも表れています。人材育成においても新たな取り組みを進めており、デザイン本部内の異なる部門や異なる役割のメンバーでチームをつくり、共同で新しい価値を提案する教育活動も行っています。また、社会貢献活動の視点も含めた人づくりの一環として、デザイン学生がチームを組み、課題に沿った未来の乗り物をコンセプトから考え、段ボールなどで実際にモノを作り上げてプレゼンテーションを行う「ヤマハ・クリエイティブ・ハッカソン」という活動も開催しています。組織や人をデザインする当社はモーターサイクルをはじめ、多岐にわたる製品を扱っています。私たちは「ヤマハらしさ」を定義づけ、さまざまな製品デザインに活用することで、モーターサイクルを見ても、ボートやその他のヤマハ製品を見ても「ヤマハらしさ」を感じていただける製品づくりにつなげています。また、製品デザインだけでなく、国内外における各製品の展示会や販売拠点も、ヤマハブランドを醸成するためのお客さまとの重要な接点であるととらえています。そのため、ショーブースや店舗の空間デザインもデザイン本部が担うことで、一貫性のある「ヤマハらしさ」のイメージを発信しています。社会との接点でヤマハブランドを体現するヤマハ発動機は、デザインは経営やブランディングに寄与するという考えのもと、「コンセプト・技術・デザイン」を経営の根幹と位置付けています。デザインの役割とは何か、また、そのための取り組みや成果について、デザイン本部長の長屋明浩が ご説明します。執行役員デザイン本部長長屋 明浩ヤマハ・クリエイティブ・ハッカソンYamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201840

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