YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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財務戦略の基本方針当社は今中期経営計画において、既存事業の継続的な成長および新規事業開発を進めながら売上高2兆円へ再挑戦します。安定的な財務基盤の目安として自己資本比率40%以上を維持しながら、営業利益率は9%水準を目指します。「キャッシュ・フローの範囲内で成長への投資と株主さまへの還元のバランスを図る」という大きな財務方針は変わりません。ただ、前回の中期でも「成長戦略の推進」を掲げ、そのための原資を準備していたものの、経費・投資共に十分な執行ができなかったという反省があります。当社として目指すべき成長領域を絞りきれていなかったことが主な原因ですが、積極的に新しい分野を探索・開拓していたのも事実です。実際、2015年にシリコンバレーに設立したベンチャー投資・探索会社を軸として、各事業部でも多くの案件を検討する中でさまざまな学びがあり、投資の実績も増えてきました。そして、今回、長期ビジョンを策定する過程ではグローバルレベルでディスカッションを展開し、目指す姿をクリアにしました。M&A含めた投資をスピーディーに実行するための組織やファンドもグローバルレベルで活動を始めました。今まで以上に具体的かつ積極的に成長への資源配分を行います。また、成長の土台となる経営基盤の強化とデジタル・トランスフォーメーションも併せて推進していきます。それらの遂行を裏付ける原資として、3年間累計で研究開発費700億円、M&Aを含む投資1,400億円を、通常の研究開発費、投資枠に上乗せしました。株主還元については、安定的かつ継続的な配当を維持し、連結配当性向30%を目安としますが、今後は総還元性向や株主総利回り(TSR)といった指標も積極的に検討していきます。また株主資本の有効活用を図る観点から、株主資本利益率(ROE)を重要な経営指標とし、資本コストを上回る15%程度の水準を引き続き目安としていきます。 金融サービス事業も積極的に拡大していきますが、レバレッジを効かせた資金戦略で対応していきます。現在、米国、カナダ、オーストラリア、ブラジルを中心に展開しており、全体の債権残高は3,000億円規模に成長しています。今回の中計では欧州やその他の地域でも展開し、債権残高4,500億円規模を目指します。取締役 企画・財務本部長メッセージ既存事業の稼ぐ力を維持強化しながら、キャッシュ・フローの範囲内で、新しい成長への投資と株主さまへの還元をバランスを 取りながら増やします。取締役上席執行役員企画・財務本部長大川 達実キャッシュ・フローの戦略投資キャッシュインキャッシュインキャッシュアウトキャッシュアウト2016–2018年2019–2021年当期利益当期利益株主還元借入増株主還元(配当)償却費償却費設備投資設備投資金融サービス債権運転資金運転資金含む成長経費成長投資成長投資Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201831

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