YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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く、新規技術を取り込み、新たな市場を創造する必要があります。新規技術について、モビリティ分野では電動化やシェアリング技術の取り込みに向けて、電動バイクの開発販売を行う台湾Gogoro社、インドの自転車大手HERO CYCLES、東南アジアでのGrab社など、当社の長期ビジョンに賛同いただける企業との協業を開始しました。また、新規市場の開拓に向けて、ロボティクス分野では、製品のインテリジェント化を目指して米国NVIDIA社と共同で技術開発を進めていきます。長期ビジョンの実現に向けた活動を加速させるべく、グローバル視点での戦略的出資も加速させていきます。当社は新規事業開発のためのテーマ探索・育成、事業化推進および新たなビジネスモデル開発を目的に、2015年にシリコンバレーにYMVSV(Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley)を設立し、これまでにロボティクス分野など9社のベンチャー企業に、総額約4,700万米ドルの出資を行いました。2018年11月には、総額1億米ドル、運用期間10年を想定した自社ファンド「Yamaha Motor Exploratory Fund, L.P.」を設立し、運用を開始しました。特定した重要な社会課題に対して、ヤマハらしい方法で解決に貢献していきます。事業を通じて社会課題の解決に貢献することは企業の使命であるという社会の 要請が高まっています。私たちは、取り組むべき重要課題として「環境・資源課題」、「交通・教育・産業課題」、「イノベーション課題」、「働き方課題」の4つを特定しました。「環境・資源課題」については、2050年までに製品が排出するCO2を50%削減することを目標に掲げました。当社はこれまでも多くの電動製品を製造・販売してきましたが、燃費向上の追求に加えさらなる電動化を推進することで目標達成を図ります。また、アフリカや東南アジアで展開してきたクリーンウォーター事業についても継続的に実施していきます。安全な水をより多くの人々に提供することで、女性や子どもたちを水汲みの重労働から解放し、子どもたちが学校で学ぶことができるようになると考えています。「交通・教育・産業課題」のうち、まず交通課題については、前述のように、ランドモビリティをベースにした移動サービスの提供や、まちづくりの支援を行っていきます。また、二輪車の安全運転講習、各商品の整備技術者の育成を世界各国で進めています。農業分野での人手不足に対しては、無人化技術を活用し課題の解決を目指していきます。「イノベーション課題」については、環境・資源課題や交通・教育・産業課題に実効的に取り組むためのイノベーションを加速させていきます。特に知的技術や高度な社会課題への取り組みYamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201827

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