YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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資源課題への取り組み「クリーンウォーター事業」産業課題への取り組み 「アフリカの漁業近代化」取り組み分野・数値目標についてはP.72をご覧ください。下痢症で1年間に亡くなる5歳未満の乳幼児は全世界で52.5万人にものぼります※。当社はシンプルでメンテナンスも容易な浄水装置「クリーンウォーターシステム」を開発しアフリカやアジアの新興国・開発途上国に設置を続けています。このシステムにより地域の人々だけで給水所を自主運営することが可能となり、集落の健康改善に貢献しています。2010年にスタートしてからアフリカで21基・アジアで15基を設置しています。※2017年/WHO調べクリーンウォーター事業・アフリカの漁業近代化は当社・海外市場開拓事業部の事業活動です。アフリカの漁業は長らく木造・手漕ぎ漁船によるものでした。遠くへ漁に行けないため獲れる魚の種類が少なく、獲ってから市場に持ち込むまで時間がかかり、保存状態も悪いため高価で販売ができないだけでなく、廃棄せざるを得ませんでした。また荒天時に動力が無いこと、強度・安定性が不足している木造船ならではの原因により、大切な人命や機材が失われる事故が起きていました。そこで当社の船外機による動力化を進め、さらには安全で衛生的なFRP船の導入に着手し操業・航行の安全と漁業の近代化を促進しています。また現地の仕様に合わせた船の製造と造船業としての産業を育成するために、当社の培ったFRP造船技術の講習・支援による現地生産を進めています。現在アフリカを含む全世界15カ国で技術支援工場を立ち上げ、年間3,000隻を生産しています。現在、産業革命以前からの気温上昇を2℃未満に抑える「2℃シナリオ」を背景に、国際社会におけるCO2削減の共通認識は、「2050年に50~80%削減」「2100年にゼロまたはマイナス」になっています。また、持続可能な社会の実現を目指すSDGsなどの社会的要請も高まる一方です。こうした中で当社は、「ヤマハ発動機グループ環境計画2020」を2018年末に前倒しで終了し、気候変動課題や地域社会課題などの解決をターゲットに策定した「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」への取り組みを2019年から開始しました。 Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201819

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