YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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ことが求められます。玉塚 私もそう思います。現在の当社の状況ならば、投資すべきところ、撤退すべきところにメリハリをつけていくことができます。ディスカッションや調和を大事にする文化は素晴らしいと思いますが、トップダウンではないにせよ、リーダーシップが発揮される局面がもっとあっていいのではないかと思います。上釜 トップダウンで、「ここにもっとリソースを集中しなさい」ということは言えると思うのです。私はそうしていました。玉塚 リーマン・ショック後、トップダウンで実施したプラットフォーム戦略や理論値生産などによるモノづくりやオペレーションのイノベーションはすごいと思います。しかし今後は、トップダウンのモノづくり改革とは違い、新たな市場開拓や新しいタイプの製品開発など、新たなイノベーションを起こすためのリーダーシップが必要になってくると思います。ランドモビリティ、マリン、ロボティクス、それぞれの柱をさらに成長させることや、第4の柱づくりに向けた仕込みを進めていくタイミングだと思うのです。新しいイノベーションを起こすことに関しては、私も経営チームの一員として責任を果たしていきたいと考えています。上釜 ロボティクスやシェアリングを伸ばしていくには、社内のリソースだけでは難しいと思います。ですから、M&Aは、ぜひ実施してほしいと思います。いい案件があったら積極的に進めてほしいし、リスクに関しては当然私たちが指摘するわけですが、リスクを分析し、対応可能なリスクを認識したうえでM&Aを推進するのであれば、私は背中を押す役割も担っていると考えています。玉塚 ヤマハ発動機にはブランドも、社風も、優秀な人材も、世界の拠点もあります。こういう変化が激しい時代に大切なのはスピードであり、スピードを上げるのは外部要因ではなく自分たち自身なのです。そのために今できることを全力でやらなくてはならない。それを私たちは徹底的に支援していきます。新規市場開拓や新製品開発などイノベーションを起こすためにはリーダーシップが必要です。——玉塚 元一Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201859

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