YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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当社は長期ビジョンに「ART for Human Possibilities」を掲げていますが、当社の製品やサービスにはARTにつながるFUNの要素が必ず入っています。人間の可能性を拡大するものには、科学のように論理的に説明できるものもありますが、ARTには、理屈抜きに人を楽しませたり幸せを感じさせたりする力があります。「ART for Human Possibilities」のビジョンのもと、お客さまを幸せにする価値を生み出すことによって成長を続ける。それこそが、ヤマハらしさだと考えます。長期ビジョンの実現に向けて私たちは、「プロダクト・イン」という考え方でデザインに取り組んでいます。これは、作り手側の理論に基づく「プロダクト・アウト」でも、ユーザーニーズに基づく「マーケット・イン」でもなく、私たちが考える新しい価値を、製品やコンセプトモデルに落とし込んで世の中に問う提案型のスタイルです。組織や人、仕事の仕組みを変え、デザインや開発、製造といった部門を超えた共創を強化することを目的にイノベーションセンターを設立しました。ここから生まれた成果のひとつとして、2017年の東京モーターショーで発表した「MOTOROiD」があげられます。「MOTOROiD」は、設計構想の段階からデザインと技術が共創することによって作り上げられた「プロダクト・イン」の提案であり、高次元の機能とスタイリングが評価され、世界3大デザイン賞(IDEA、red dot award、iF DESIGN AWARD)を受賞しました。このほかにも、愛媛県・大三島の島づくりプロジェクトに提案したモビリティ「05GEN」や、2018年に市場に投入した産業用マルチローター「YMR-08」など、新たな価値を問うコンセプトモデルや製品を開発しています。共創で新たな価値を提案する産業用マルチローター「YMR-08」イノベーションセンターMOTOROiD「05GEN」Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201841

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