YAMAHA INTEGRATED REPORT 2018
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3つの注力領域での取り組み②Rethinking Solution―ヤマハらしいソリューション日本の国土面積の7割を占める中山間地域においては、公共の移動サービス事業の維持が困難になり、高齢者の移動などの社会課題が顕在化しています。私たちは現在、ランドカーをベースに全国各地で、高齢者・過疎地域の輸送システムや貨客混載のマルチユース輸送システムの実証実験を行っています。今後は、低速自動運転車両だけでなく、電動アシスト自転車や電動車いすも含め、スローモビリティを中心にしたまちづくりにも貢献していきます。マリンビジネスにおいても、自動操舵技術の開発を進めていきます。船長は機関士、操舵士、見張りなどの役割を一人で担うことが多く、自らが楽しむことができないという現状があります。当社は、目的地の座標をセットすれば自動でクルージングし、釣り場に着いたら座標を保持して釣りを楽しめる技術などにより、より安心・快適なマリンライフの提供を目指していきます。3つの注力領域での取り組み③Advancing Robotics―ロボティクスの活用による知的技術ロボティクス分野においては、農業分野、医療分野の取り組みに注力します。現在、先進国の果物・野菜農業においては人手不足が顕在化しており、世界の農業用ロボットおよびドローンの市場ポテンシャルは4兆円ともいわれています。当社は無人ヘリコプターの分野で、日本の農業市場においては30年以上の実績を積んでおり、米国カリフォルニア州においても農薬散布ビジネスを展開しています。今後は、農業の省人化と生産性向上に向けて、より積極的にドローンや無人陸上車を市場投入することで、食料の安定供給に貢献していきます。医療の分野においては、2017年に販売を開始したCELL HANDLER™によって、創薬過程のさまざまなステップで研究者の負担を軽減し、生産性や創薬の成功率を向上させることに貢献していきます。CELL HANDLER™の装置販売だけでなく、ベンチャー企業への出資を通じて受託サービスなどのソリューション事業の可能性も模索し、ポテンシャル3兆円といわれる個別化医療や、抗体・創薬の市場で存在感を確立していきます。パートナーシップによるイノベーションの加速ビジョンを共有するパートナーとの協創・協業や、新設ファンドからの支援を拡大します。長期ビジョンの実現には、既存市場・既存技術の領域での着実な成長だけでな社長メッセージYamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 201824

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