5.自動倉庫に対する考察 多種少量生産の技術として普及しているFMSやロボット化に代表されるFAは“受注から出荷くる。ている。一 109一写真5 第5工場で活躍する自動倉庫と無人車 (1)多種少量生産,小ロット化への対応特に組立ラインに配置されている組立ロボットや,作業者に対して,多種多様の部品をどのように正しく,迅速に供給するかが最大のポイントである。組立に必要な部品をラインサイドの棚へ全て並べておき,作業者の判断で必要な部品を取出して組立てる方法,部品供給専用のパレット(板)を使って組立に必要な部品を一式セットにして並べておき,コンベヤー上を流しながら組立てるキット方式,(プラモデルのキットと同一意味)や,自動車工場を中心に導入されている組立ラインに同調した部品供給ラインを作り,そこに組立に必要な部品をセットして置くマーシャリングと呼ばれる方法や,水すまし運搬と呼ぶ,運搬車をぐるぐる回して,ラインで必要な部品を必要な数だけ集めてくれる方法等,各業界で種々な方法が試みられ 要は組立作業者に振り向き動作や,歩行のムダを発生させていないか,又,誤って他の部品を組立てないような配慮かしてあるか,等を考える必要があり,こうした中から第5工場では,自動倉庫と,一部無人車との組み合せで,正しい部品をタイムリーに作業者へ供給することができるシステム開発を行ったのである。 (2)FA化への対応に至るまでの生産活動における生産システム全体 日本ではトヨタ式生産方式=ジャスト・イン・タイムの思想が広く普及しており,必要な品物を,必要な時に,必要な量だけ生産する,という考え方で余分な在庫(資材を含む)は持たないやり方が正しいとされている。余分な在庫を持たなければ倉庫は不要である,という考え方は正論である。しかし,在庫を持たないノンストック生産はあくまで理想であり,現実には種々の理由により,各工程間のプラット,フォームには適正なバッファ,即ち,一定量の在庫が存在することは避けられないのである。そこにこの適正バッファを合理的に収納するハードである自動倉庫の必要性が生じて 一方,環境の変化は目まぐるしく,多種小量生産化への移行と生産変動はますます激しくなってきており,こうした環境変化に対する経営的なツールとしての目動倉庫のあり方が問われている。直接,稼がない,しかも金利負担を増大させる過剰在庫や死蔵品を生む温床であり,「有害あって,一利なし」と言われている自動倉庫を敢えて積極的に導入した背景について考察してみたい。 大量生産から多種少量へと言われてから久しい。特に最近はその傾向が顕著で,物を大量に作っても売れず,逆に種類は多様化の一途である。加えてモデルの寿命が短命化し,ライフサイクルはますます短くなっている。特に円の変動が激しい状況の中で,需要の予測は困難を極めており,何をどれだけ作ればよいのか誰にもわからないこの不透明な時代の中では,受注した分だけを,出来る限り小ロットで,最短のリードタイムで生産をしてゆく必要があることは十分認識されていよう。 では,工場で,特に組立工場で小ロット生産を行う為のハード的な課題は何だろうか。 それは,段取替えと,部品の供給,管理である。 5−1 自動倉庫は何故必要か
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