1.は じ め に2.プラスチック化の流れ樹脂材料編第1研究部 材料研究課 木村吉延 表1は昭和30年代から現在に至るまでの自動車内,外装樹脂部品,機能部品について,樹脂技術応用の変遷を示したものである。この表からわかるように,昭和30年代後半のモータリゼーションの始まりとともに,樹脂技術は急速に進んでいった。表中の第1次樹脂化の昭和40年代は,まさしく大量生産ならびにコストダウンが主目的として樹脂化が進められた時期である。その後,昭和48年の石油ショックを契機として,低成長時代となり,社会ニーズに対応した目的をもって樹脂技術 現在は第4次樹脂化の時代に突入している。そして自動車は多様化,個性化の方向に急速に進みユーザーの好みに対処していく時代となった。 次に表2はヤマハにおけるモーターサイクルの樹脂技術の変遷を示したものである。 昭和30年代は樹脂化を積極的に推し進める時代ではなく暗中模索の時代であった。しかし昭和40年代に入り,スクーターの前身ともいわれている50ccファミリーバイク(チャッピー等)の出現によって軽く,安く,カラフルを主目的に,樹脂化 現在は,機能部品を中心として、より高品質,高生産性,ニーズの多様化にむけた多品種少量をめざした樹脂化が進んでいる。一 65一開発が進められた。が進められた。ー 変遷に伴ない,石油を原料とするプラスチックの歴史が本格的に始まったと言える。 (1)軽い,安い (2)形状が自由 (3)加工が容易 (4)着色が自由 昭和30年代前半の,石炭から石油へのエネルギ等のメリットから,従来のブリキから変ったプラスチック製のバケツ,洗面器などの家庭用品に,数多く使われ,カラフル性,個性的なデザイン性により,台所革命をもたらした。 それに呼応するように,輸送機器部品にもプラスチックが使われる様になった。 石油危機による石油供給不安,価格上昇に伴ない,深刻な影響を被った時期もあったが、プラスチックは各種工業分野,あるいは日常生活において不可欠な材料となり,年々,使用量は着実に増加しており,今後共,個性化、多様化,省エネ化を前提とした材料開発,用途開発によりプラスチックが使われることは,まず異論のないところであろう。本稿では,プラスチック化の歴史をたどりながら,プラスチック化の思想,そして最近の動向について紹介したい。取近の話題(IV)材料技術‘おける
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