技報No.4 eBook | ヤマハ発動機
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巻 頭 言ます。ります。 技術のヤマハを標榜する当杜にあって,技術に関心を抱く者すべての集団「ヤマハ技術会」も発足して3年目を迎えました。その活動の内容も,日に日に充実しつつあることは喜ばしい限りです。 振りかえってみますと,「ヤマハ技術会」の発足と相前後して,世界の経済情勢が大変大きな変化を見せて参りまして,特にここ数ヶ月の,日本の貿易不均衡是正を迫る世界的な動き,ドル安,保護主義等々の一連の激動は,輸出比率の高い当社にとって,誠に厳しい環境であり,企業の存続をかけて,それへの抜本的対応を迫られている昨今であります。 我々はこれまで,優れた技術開発力でもって,種々の商品を開発し,世界のユーザーに楽しみと満足を与えて参りましたが,此等製品は主体的には,国内で生産して来ました。然し昨今の状況は,生産の国際化を強く促すものがあり,それも,部品の海外調達,自製率向i&1度のものでなく,完成製品そのものの,現地生産化を検討せざるを得ない状況下にあります。我々の製品は,どれをとっても,デザイン,性能,品質の良さは,常に高く評価されておりますが,価格面に於ては,昨今の円高,ドル安の中にあって,輸出市場では,最早,割高感と云う程度のものではなく手の届かない域に入りつつあります。又反面,従来の様に価格面だけで,国内生産方式を押し通すことは,困難な情勢になって来ております。とすれば,世界に点在する,すべての生産拠点を戦略的に位置づけ,当社製品の国際分業化が,今迄以上に必要になって参りましょう。と云うことは,市場特性に合った商品の企画と開発の重要性に加え,これからは,民族・歴史・宗教・習慣等々が異なる各国の工場と,そこで働く従業員に,ヤマハブランドの製品作りの技術移転と現地生産に適した商品開発が必要となり,そこで,開発技術,製造技術,そして管理技術の総合的技術力の結集と向上が,ますます不可欠になって来ようかと思われます。 此の様に,所謂,空洞化現象にむけての動きが進む一方に於て,市場潜在需要を喚起する,あるいは,新しいユーザー作りの新商品作り,特に国内需要拡大商品作りが,急がれる重要課題であり 此等は,どれ一つをとっても,生易しいものではありません。然し,これまでの経験から見て,われわれが本気で問題の解決に力を結集したならば,必ず乗り越えられるものです。ますます複雑化する状況の中ですが,幸い「ヤマハ技術会」は巾広い経験,知識をもつ,沢山の人々の集団ですから,相互啓発,技術研讃を重ねて頂き度く思います。 技術会の皆さん方に中心的役割を演じて頂き,ヤマハのあらゆる技術を包含した「ヤマハ技術会」の皆さんの英知に支えられたテクノロジーは,こうした問題を必ず解決出来るものと期待致しておヤマハ技術会顧問 永易  均

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