3−3−2 非切削時間の短縮 図11に今回採用したATC機構の略図を示す。ATC時間の当時の一般値は,刃具交換だけのTtoTで5〜6秒であったが,我々は目標として, 3−3−3 高精度加工図11 高速ATCツール(工具) (3)高速搬送 (1)刃具交換の高速化一 体化して,加工完了後スピンドルが後退すれば直ちに刃具交換ができる構造にすると共に,AT2.5秒を狙った。そのため,マガジンとコラムとをCアームの動きをメカ方式とし,サイクロイド曲線をもったカムでアームの加減速特性を最適にして高速化をはかった。結果として,目標値までは届かなかったが3.5秒までの達成は出来ている。 ATCアーム 主軸(スピンドル) ②早送りの高速化 加工する穴のところまで刃具やスピンドルを位置決めする速度は,従来の滑りスライドの方式では12〜15m/分であった。この移動速度を高速化し,移動時間の短縮をめざすため,今回は,ボールを介在させたリニヤガイド方式を採用して摩擦抵抗を小さくし,かつコラム部を軽量化し慣性力を軽減して24m/分を狙った。これについては目標値達成が出来ている。 ある工程で加工完了したワークを次の工程におくる搬送時間も,従来は10〜20m/分であったが,今回は50m/分を目標とした。その為,図12に示すように,直流サーボモータを使ったチェーン式搬送の構造を採用した。なぜなら,空圧や油圧それに普通のモータでは,速度制御が不安定なことと,理想的な加減速特性を得ることができない為である。結果として,左右割及び上下割ケースの加工ラインでは目標値達成が出来ている。図12高速搬送 機械各部の動きを高速化するなかで,高い精度を確保しなくてはならず,今回の開発のなかで最も神経をつかい,評価に時間をかけた項目である。・工作機構の加工精度=剛性であり,高い精度の加工を実現する為には,静的にも動的にも高い剛性を必要とする。つまり,大きなバネ定数と高い減衰性を必要とする。エンジンや高層ビルのように,柔構造の思想は通用しない世界である。これらの点より,主要部品にはすべてFCの鋳物を採用し,鉄板溶接構造はさけた。またコラムの走るX軸のガイドも4本とし,接続部の剛性もあげた。写真1にベットとコラムの構造を示した。 また,振動の発生をおさえる為,主軸の回転精度もバランスをとり製作,組付には十分な注意を払っている。そして,温度変化による変形に対応一 6一 叱㌣
元のページ ../index.html#10