8−1 安全対策 8−2 安全性的にも難しく,安全上のネックとなりえるものなのだが,M/Hタンク方式の場合は,温度制御8.安全対策と安全性いる。一 46一おむね良好である。 に吹き抜けを作れば良い。)転状態での不具合の有無にある。水素燃料エンジンという言葉からはどうしても,一抹の”不安”というか,ある種の警戒心が起るので,何としても通常の車と比較して違和感の無いことが要求される。水素燃料自動車を扱った本では,逆火の大きな音が回りの人に脅威を与えることがエピソードとしてのっている。そういう逆火は始動時とか,過渡的運転状態で起るとされ,何ごとも急激な操作を避けるというのが常識のようであった。今やそんなことで,逆火が起るようなら,乗り心地を重視する現在では、実用に程遠いと言える。この試作車に関するかぎり,過渡状態での運転も,お もう一つのポイントは専ら技術的興味にあるのだが,熱効率改善のため採用したノンスロットル(吸気絞り無し)方式が圧縮比8.5ではエンジンブレーキ不足で減速時に,減速不良の違和感を生じないかどうかにある。ディーゼル車では同じノンスロットルとは言っても,圧縮比が20以上と高いため,減速時燃料カット時のポンピング仕事が大きいので問題にならないようだが。試験の結果は,6−5一①項の減速時絞り弁による吸気のカットは効果があることがわかった。 安全対策としては基本をまず守るのが原則で,水素ガスそのものに対して,次の如く考えている。1)リークを無くす。2)もし,リークしたらすぐ検知できるようにし, 直ちに元栓を閉められるようにする。3)もし検知器が不具合でも,又元栓が閉められ なくても,リークした水素が,空間的に特定 場所に溜らないように逃道をつくる。 (水素 ガスそのものは軽く,拡散が速いので,上部 この原則に基づき,1)項に対しては,定期的リークチェックをする。上記2)項に対しては,テストベンチにも,車両室内にも,水素ガス検知器を備え,水素ガスの遮断弁をもうけている。車の場合は,イグニッションキーを切れば電磁弁が働き水素ガスの流れを止められるが,それとは別に,運転席にマニュアルで遮断弁が閉じられるレバーを設けている。この機構は電気的にも働く。上記3)項に対しては、テストベンチは天井部に吹き抜けが設けられており,車両に於てもM/Hタンク室は通風筒が設けられ,通風がはかられて 新らしく採用した,出力制御系については,今しばらく実績を作らねばならないが,今の所逆火当の不具合は起きておらず,安全性上も問題を起していない。これはM/Hを使ったシステムに基本的にそなわったメリットと思われるので,そういう観点から見直して見る。 水素そのものを移動用燃料として使う場合,通常次の3つの型式がある。1)M/Hタンク :低圧(10気圧程度),常温2)水素ガスボンベ:高圧(150気圧max),常温3)液体水素容器 :低圧,極低温(−273°C) この中で,取扱い上一番安全なのは,高圧でも極低温でもないM/Hタンクを使う方式である。しかし,その方式を使うためには低圧で筒内噴射できるエンジンを必要として来たわけだが,それを初めて可能にしたのが,今回の低圧噴射水素燃料エンジンである。従来のディーゼルエンジンの高圧噴射の考え方ではどうしても燃料ポンプを必要とし,それがシステムの重要部品であり,技術でガス圧を制御できるので,燃料ポンプは無くすことができ,そのことが,システムの安全性を高
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