技報No.2 eBook | ヤマハ発動機
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長会副会術技巻 頭 言ハマヤしょう。俊お願いいたします。 ヤマハ技術会が発足して二年目となりました。この間会員の皆様や,世話をして頂いている大勢の方々のお骨折で,いろんな活動が着実に進められて来ています。会員の皆様の積極的な御支援を この一年を振返ってみると,何と言っても円高の急速な進展があげられます。輸出を中心とした当社にとっては,まったく厳しい状況であります。しかし,これから先ずっとこのような円高が続費が国際水準の中でいきなり30%も40%も高騰したことにあらわれます。私達の収入は,実感としては一銭もふえていないのに,ドル換算した国際比較では,いきな})30〜40%もふえたということにあります。今後日本で何かをやるにつけて,この人件費の高さは,大きな制約条件となることで こういう円高状況が定着した場合,どういう風に日本は変わるのか,日本の製造メーカーはどう変わるのかについて多少考えて見ますと,これはもうお手本がありまして,そんなに推測は難しいわけではありません。お手本というのはかつてのイギリスであり,またごく最近のアメリカです。アメリカの産業がドル高で苦しんだのは,昨年夏までの2年間程ですが,その間におきたことは,輸入の急増,部品等の海外調達の急増,これはいわゆる産業の空洞化と言われるもので,アメリカの自動車メーカー,電機メーカーが,大挙して,日本などから部品調達をした現象で,アメリカの部品メーカーは,大変困ったのです。円高下の日本の対応策として,同じようなことか日本でもおこると予測して,そう間違いはないでしょう。まず韓国,台湾といったアジアNICSと言われる国々からの輸入の急増,部品のこういった国々からの調達の活発化は避けられそうもありません。日本でも産業の空洞化と言われる現象が確実に進行することになるという予測が成り立ちます。これはもう大変大きな変化で,このような変化は避けて通ることは出来ないことだと思います。 こうした変化の中にあって,何が、企業の存続の決め手になるかと申しますと,まず第一に固有技術と言われるもの,当社にとってみれば,エンジン技術,乗物の技術,エネルギー変換の技術,メカトロ技術,素材技術などが,今後とも重要であると考えられます。第二には管理技術と言われるもので,TQC, TPMなどの工場経営技術,電算システム等にあらわされるシステム化技術,あるいは現在着手したリードタイム」2のシステム技術,もっと大きくは海外工場経営技術などもこれに含めて考えることが出来ます。第三には資金力,どれだけの資金が調達し動員出来るかという点であります。このような三つの点が今後の円高状況下にあっては極めて大きい影響を持つ,いや企業の生死を分けるといっても過言ではないでしょう。 ヤマハはこのような状況にも敢然と立ち向かっていく,バイタリティにあふれた会社であります。当技術会会員の皆様一人一人と手を携えて,技術の研鐙にはげみ,大きな変化を力を合わせて乗り切って行くことを念願いたしております。くとすると,当社としてどうするかを考えなければなりません。円高の直接的な影響は,まず人件

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