YAMAHA MOTOR DESIGN

ヤマハ発動機株式会社

Foreword

「自分がぜいたくだと思ったもの、自分が楽しいと思ったものは
自分だけで独占しないで人に分け与えよう。
デザインもそうだろう。美しいと思ったものを自分だけで独占するのは、
君、デザイナーとは言わないよ。
それを人に分け与えて初めてデザインと言うんじゃないだろうかね」

川上 源一

※創業者・川上源一記念展(2002年)に寄せられた、栄久庵憲司氏(GKデザイングループ代表・当時)の回想より。

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1955-1964
オリジナリティを追求した

「試行錯誤の時代」

東京タワーの開業や新幹線の開通、さらにはオリンピックの日本初開催と、国内では経済成長への機運が加速して経済白書には「もはや戦後ではない」と記された。アメリカでは未来志向のコンセプトカーのイメージが市販車に反映され、ドイツでは論理的なアプローチによるスポーツカーが誕生した。この時代、日本のデザイン界は「コンパクト」「シンプル」「モダン」を共通テーマに掲げ、ドイツ機能主義とアメリカ商業主義を研究するとともに、機能表現と情緒性の両面を感じさせるデザイン表現に挑戦した。

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1965-1974
活力あふれる

「表現主義の時代」

いざなぎ景気は大量生産を加速させた。新三種の神器にマイカーが数えられ、生活者は選択基準の一つとしてデザインを意識し始めた。しかし、「人類の進歩と調和」を掲げた大阪万博をピークに日本経済の高度成長は終息に向かい、日本の工業デザインは困難な低成長期に身を置きながら、「信頼性」「小型軽量化」、そして「魅力的な外観」を達成するための知恵と工夫を凝らしていった。

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1975-1984
文化的視点を背景とした

「グローバルの時代」

情報化時代が進むにつれ、日本のハイテクや精緻なモノづくりの評価が高まり、カメラや自動車等の輸出産業が隆盛していった。国内ではスーパーカーブームなどを背景にイタリアのカーデザイナーやカロッツェリアが注目され、日本の製品デザインにも多くの外国人デザイナーが起用された。世界の多様な文化にアンテナを張り、新しい領域の先鞭となったデザインが多数誕生した。

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1985-1994
オリジナリティによる

「ブランディングの時代」

バブル経済を背景に企業はこぞってCIを導入し、ブランディングに注力するようになった。国鉄の分割民営化など産業界の再編成も進み、「他と違う」ことを目的とした特異なデザインも少なからず生まれた。そうした背景の中、世界の成熟市場では、トレンドに左右されないオリジナリティ溢れるデザインコンセプトが求められるようになっていった。

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1995-2004
IT革命による

「パラダイムシフトの時代」

ITの広がりやインターネットの普及により、生活者の情報収集力がグローバルな規模で拡大し、選択眼が厳しくなると同時に嗜好性も多様化した。そうした中、家庭におけるインテリアとしての在り方を提案したパーソナルコンピュータの登場が、世界にパラダイムシフトを巻き起こした。ヤマハモーターサイクルにおいても既成概念に囚われないコンセプトの模索を行い、デザインアイデンティティの再構築を目指した。

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2005-2014
モノからコトへ

「文脈の時代」

デザインのトレンドは単に形態の嗜好によって分類されるものではなくなり、それによって未知の体験を得られるという「文脈に則った物語性」を伝えることまでを担うようになった。また、デザインの現場にさまざまなデジタルツールが持ち込まれたことにより、精度の高い表現が可能になるとともに、コンカレントな開発プログラムに沿ったデザインアウトプットが求められるようになった。

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2015以降
ココロとカラダを満たす

「本質追求の時代」

デザインという言葉がより広義に用いられるようになり、各種デザイン賞においても、従来の美的な機能表現からかたちのない社会の仕組み提案まで、一つの尺度では測ることのできないものへと対象を広げている。先の読みにくい時代であるからこそ、あらためて人間の本質を見つめなおし、時代に左右されない、人のココロとカラダを満たす価値提供が求められている。

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Show & Concept Models
[創案] [習作] そのメッセージを世に問う。

まだこの世に存在しないなにかの[創案]と[習作]。
その自由でダイナミックな発想と造形にメッセージを託し、
ヤマハは新たな価値を問い、生み出してきた。

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