YA-1
メカニズムと技術設計が主体を占める二輪車に「意図してのデザイン」はあり得るか? このテーマに果敢に挑んだ第1号製品。手本としたDKW RT125のフレームの美しさを活かしつつ、タンク、シート、ペダル、グリップなど各所にオリジナルデザインが与えられた。日本らしい美意識を感じさせる気品のある造形は、その後のヤマハデザインの礎となった。栗毛の駿馬をイメージした華やかなマルーンカラーは、チョコレートのパッケージをヒントにしたもの。その軽快な走りと相まって「赤トンボ」の愛称で親しまれ、暗さを残した戦後の町並みに鮮やかな色を差した。