日本において多大なる被害をもたらした東日本大震災から一年余りが経過しました。被災された皆様、関係者の皆様にはあらためてお見舞い申し上げます。
2011年を振り返りますと、東日本大震災以外にも、欧米経済危機や超円高、更にタイ洪水など、多くの困難がありました。そのような環境下においても当社は、構造改革・経営基盤体質変革を実行、収益安定化への基礎作りを進めました。
また、CSRの推進においても、2011年に制定した「CSR基本方針」に沿って各主管部門がCSR活動計画を策定・実践することで、持続的成長と事業活動を通じたCSRの実行性を高めることに、これまで以上に取り組んだ1年となりました。
震災発生当初から行っている早期復旧・復興に向けた支援活動の中で、当社の製品やサービスに寄せられる様々なご期待や要請から、当社が担う社会的な役割をあらためて認識し、今も大きな責任と使命を感じております。
震災直後の燃料不足の際は二輪車(バイク)の低燃費性と機動性が見直され、また電動バイクや電動アシスト自転車の要請も高まりました。一方、電力不足に対応するため非常用電源として小型発電機が使われ、津波瓦礫の集積場では産業用無人ヘリコプターによる害虫防除剤散布など、当社製品の活躍は多方面にわたりました。
復興に向けては小型漁船の増産の要請をいただき、通常時年間生産能力の約20倍にも及ぶオーダーを2年間で生産することへ対応すべく、臨時の設備投資や増員などに奔走し、現在もフル生産を続けています。これまでも私は、当社の製品やサービスに関する仕事は、その製品が関わる産業の持続可能性にも貢献すべき側面があると考えてきました。今回の小型漁船の増産は早期復興が目的であり、日本近海の水産業との関わりの中でマリンビジネスと技術を鍛えられたメーカーとしてこうした要請に応えることも、当社の社会的責任の一つであると思っています。
ヤマハ発動機グループは、2010年から2020年までの将来への成長シナリオとして、「豊かな生活を創る」、「楽しい移動を創る」、「人・地球・社会にやさしい知的な技術」の3つのモノ創りの方向性を発表し、お客さまとその社会や環境に配慮した商品の実現に向けて開発と投資を加速しています。今後も「モノ創りで輝き・存在感を発揮し続ける企業」として、世界各国地域で事業を展開するうえでの社会的責任を認識し、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
本レポートを通して、ステークホルダーの皆さまとのより良い信頼関係を築いていけることを願うとともに、本レポートに対する忌憚のないご意見をお聞かせいただけますようお願い申し上げます。




