「三輪車男」こと、俺の話を聞いてくれ。

photo

この界隈で「三輪車に乗ったデカい人」といえば、俺のことだ。
移動だけじゃない。デートにも三輪車で参上するのが俺の流儀。

photo

段差にぶち当たったときに、しんどいと感じることもある。
だが、乗り越えていく快感は、どこか人生のそれに通じていると思うんだ。

photo

俺が三輪車と出会ったのは、3歳のクリスマス。
目を覚まして憧れのマシンを見つけた俺は、すぐに飛び起きたんだ!

photo

これが三輪車に乗った俺。どうだい、キマってるだろ?

photo

見た目通り、いつも厳格な親父だったが

photo

公園では、時間を忘れるほどに遊んでくれた。
俺は、そんな親父のことが大好きだったんだ。

photo

だが、そんな親父が突然、夢を追うために家を出た。
幼かった俺に残された手紙には…、
「さんりんしゃ、だいじにしてね。また えがおであおうな。」

photo

俺は親父の伝言を守った。男同士の契りだから当然だ。
たとえ友達が自転車に乗り始めても、声変わりをしても。
俺の青春は、常に三輪車とともにあった。

photo

大きくなっても三輪車に乗るのは、見た目以上にキツイ。
成長とともに下半身が異常に発達した俺は、ラグビー部に勧誘された。
持ち前の筋力と親父譲りの根性のおかげで、トップリーガーになることができたんだ。

photo

だがしかし、社会人になって100キロを超えた俺を毎日乗せた三輪車にも、
とうとう寿命が来てしまったんだ…。
専門家にも相談したが、誰にも直せなかった。
親父と笑顔で再会する日まで、三輪車に乗っているはずだったのに…。

photo

三輪車が破損して以来、落ち込んで、塞ぎこんだまま迎えた12月。
母は「サンタさんに、なんてお願いするの?」と聞いてきた。
そんなもの決まっているさ、俺の望みは「三輪車の復活」だけ…。
でも、どんなに強く願おうが、親父のくれた三輪車は戻ってこないんだ。

photo

クリスマスの朝。俺の枕元にあったのは…

photo photo

新しい三輪車…いや、ヤマハのLMW(Leaning multi wheel)コミューター、
TRICITYじゃないか!その均整のとれたデザインに、俺は一目で虜になった。
そして、もう一度笑うことができたんだ。このマシンとともに。

photo

TRICITYは、とってもスポーティで楽しい!濡れた道路や未舗装路での安定感が違う。
乗り心地もいい。さすがはヤマハのテクノロジー から生まれた新世代の三輪バイク。
この前輪の傾き、確かに俺の三輪車にはなかった。

photo

ある日、TRICITYに跨って信号待ちをしていると、隣のライダーが話しかけてきた。
「三輪車、ちゃんと乗っているんだな。」
その厳しくも優しい声には、どこか聞き覚えがあった。
いや、いくら時間が経とうとも忘れはしない。この声は…。

photo

「おっ、おやっ…ん、んんんっ、親父か!?」
ヘルメットを取って現れたその顔は、性別を変えて生まれ変わった親父だった。
知らなかった。親父が追いかけた夢って、ニューハーフになることだったのか。

photo

もはや親父の姿なんて、ちっぽけなことだ。
俺たちが親子であることは変わらないのだから。
「また笑顔で会おう」、その約束は、こうして無事に守られた。
三輪車に乗り続けて本当によかった。ありがとな、TRICITY。
(でも親父、やっぱり少し複雑だよ…)

ニュースタンダードシティコミューター「TRICITY Concept」が日本初公開!
11月22日(金)~12月1日(日)は、東京モーターショー2013 YAMAHAブースへ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加