本文へ進みます
サイト内検索

<レポート> 歴史車両デモ走行・見学会2016

秋晴れの空の下、当社の歴史を彩ってきた「名車」をご覧いただきました。

青空の下に並べられた計65台の市販二輪車・二輪レース車両・四輪車の展示エリアは、写真を撮影したり、懐かしみながら談笑したり、興味深く見つめる多くの人で賑わった。動画はこちら。

普段はコミュニケーションプラザに静かに展示されている歴史車両は、一度はお客様のもとでの役割を終えた製品です。様々なかけがえのない経験をオーナーと共にした後に、発売当時の姿にレストアされ、基本的に「動態保存」されています。姿だけでなく実際にエンジンをかけて走行できる状態を保つことで、先人の知恵と情熱によって誕生した車両を未来のモノ創りにつなげていくことを担っているのです。

11月5日に絶好の秋晴れの下で開催された「歴史車両走行会見学会」は、動態保存に必要な車両を定期的に走行させて状態をチェックする活動を、社内外の多くの人たちにも見学して頂くイベントで、コミュニケーションプラザの開館の翌年1999年から開催されています。

前回は2008年の開催で、8年振りの開催を待ちかねていた人たち(コミュニケーションプラザ関係者もその一員です)の気持ちを汲んだかのように、これ以上はない清々しい空と穏やかな日差しに恵まれての開催となりました。

来場者は前回の1,400人余りを大幅に上回り、3千人を超える方々に訪れて頂きました。展示車両は二輪車と四輪車をあわせて計65台。うち、ヤマハ発動機の第一号製品であるYA-1をはじめとする市販二輪車が30台、世界中のファンと歓喜を共にした二輪レース車両が4台、幻の名車として知られ、3台揃い踏みの雄姿は初のお披露目となったOX99-11を含む四輪車が5台、計39台のヤマハ発動機の歴史を物語る車両が、普段は当社の製品の開発を行うテストコースを駆け抜けました。

旧いもので約70年前、比較的新しいものでも20年以上前の車両ですが、久しぶりに動く光景を懐かしむ年配の方や、初めて走る様を目にする、製品が誕生した年よりも後の年代に生まれた若い人達に、それぞれ個性的なエキゾーストノートを奏でながら秋の柔らかな日差しを受けて輝く姿を楽しんで頂くことができました。


会場となった袋井テストコースは、本来は開発のための走行試験などを行う施設のため、一般のサーキットなどと異なり、観覧のためのスペースや駐車場が限られています。昨年秋に7年ぶりの開催を予定していたのですが、雨天のため涙を呑んで中止となったこともあり、今年は多くの方が来られることを想定して準備していました。しかし、当日は予想を遥かに超える方々のご来場となったため、デモ走行が始まってからも多くの方にお越し頂き、会場に入りきれない状況となってしまいました。

そのため急遽、予定を変更し、陽が傾いた16時から2回目のデモ走行を実施することになりました。1回目の走行ほど時間がないため、二輪車の市販車が15台(1回目は30台)、レーサーは2台(1回目は4台)、四輪車は1台ずつではなく5台の一斉走行となりましたが、途中から入場された方々にもヤマハ発動機の歴史を担ってきた車両が、秋の夕闇が迫るテストコースで快音を響かせながら駆け抜ける姿を堪能して頂きました。

日本初の本格的なスポーツモデルとして大きな反響を呼び、オン・オフを問わずさまざまなレースでも活躍した1959年登場のYDS-1も快音を響かせた。
“キング”の異名を持つケニー・ロバーツがライディングしたファクトリーレースマシンを再現し、まさしく「レーサーレプリカ」であったRZV500R(1984年モデル)。
1985年に登場し、伝統的な従来の“アメリカン”クルーザーとは異なる独自の存在感が世界中のファンに愛され、20年以上に及ぶロングセラーとなったVMAXも快音を響かせた。
ファンや専門誌からは「スクーターのRZ」と呼ばれた125ccスクーター「トレーシィ」。登場した1983年も、そして今でも近未来感がある姿が注目を集めていました。
1960年代に当社の契約ライダーとして国内外のレースで活躍し、70年代には開発ライダーとして会場となった袋井テストコースを走っていた本橋明泰さんも当時のレースマシンで駆け抜けた。握手を交わしているのは当社の第4代社長を務めた長谷川武彦さん。
1963年~65年に世界GPシリーズ通算15勝を記録、64年と65年にはタイトルを獲得したRD56を走らせた本橋さんからのコメントは「50年前に跨った時と同じ感覚で走行可能なコンディションを保たれていることに驚いた。来場した皆さんも楽しんでくれたと思います」
1985年に開催された鈴鹿8時間耐久レースでケニー・ロバーツ/平忠彦の“夢の競演”による圧倒的なパフォーマンスで観衆を魅了したFZR750(0W74)を、往年の雄姿さながらに走らせたのは当社のレース活動に欠かせない伝説的なライダーである河崎裕之さん。
「現役のときは『速くしてくれ』とよく言ったけれど、久しぶりに走らせたマシンのスピードは予想以上。しびれたね。大勢のヤマハファンの前にでたら、現役さながらにテンションが上がって、駆け抜けられた」と元気な声を聴かせてくれた河崎裕之さん。
この日のために何時にも増して磨き込まれ、久しぶりに日差しの下で“喜んでいる”歴史車両。往年のヤマハファンに加えて若い世代の関心を集めていました。
ヤマハ発動機の黎明期、1950年代後半に登場したマシンの現役当時を知る人はさすがに少なかったと思いますが、「懐かしむように」写真を撮る人が絶えませんでした。
日本のスポーツカーを代表する1台、Toyota 2000GT。このイベントでは普段の館内展示とは異なり、エンジンルームも“開帳”したため、食い入るように見つめる多くの人に囲まれていました。
四輪レースの世界最高峰であるF1への参戦で開発されたエンジンをベースにしたV型12気筒エンジンを搭載するOX99-11。毎回、来場者の人気を集めるこのモデルが3台揃って登場するのは初のこと。
急遽決まった2回目の走行では、市販車については古い年代を中心に15台走行。写真は暖機運転を済ませてコースインに備える社内ボランティアのライダー達。
同じく入念な事前準備を終えて出番を待つ、当社の第一号製品であるYA-1。夕陽を浴びる姿はまさに現役当時(60年ほど前)のニックネームである「赤とんぼ」。
世界でわずか500台だけ販売された日本を代表するスーパーカーLexus LFA。実物を見たことがある人は少ない製品ですが、「夕暮れのなか」というさらに希少な機会となりました。
夕焼け空の下で当時のレースカラーであるレッドが映える1985年の全日本チャンピオンマシンYZR500(0W81)。社内のレース関係者ですら滅多に目にしない光景でした。
横浜から来られた大学院生のお二人。今回は雑誌で知って初めてバイクのイベントに参加されたとのこと。歴史車両の暖かみや重厚感のある雰囲気にとても惹かれたそうです。「最近のモデルにはない旧いバイクの魅力を知ることができた」とおっしゃっていました。
週末は愛車のTDM900でツーリングして楽しんでいるという浜松近郊に在住の男性。旧車好きのお父さんの影響でバイクに興味をもたれたそうで、「父親が乗っていたバイクを思い出す」と目を細くされていました。次回は一緒に来たいとのことでした。
静岡から来られたバイク好きな2人のお子さんと両親。実はご両親はバイクに乗られないそうで、「子どもには好きなものを追及して欲しい」と静岡県内のいろんなバイクイベントに参加されているそうです。聞いたことのない昔のバイクのエキゾーストサウンドに興味津々でした。
「8年前の前回イベントから待ちわびていた」お父さんと息子さん(現在7歳)。「子どもに乗り物の楽しさや面白さをわかってもらって一緒に楽しみたい」という印象的なコメントを頂きました。夕暮れの会場では名残惜しそうに帰路につく親子の姿が他にもたくさんいらっしゃいました。
展示及び走行車両
カテゴリー モデル名 年式 デモ走行
二輪(市販車) YA-1 1955
YB-1 1955  
YD-1 1957
YDS-1 1959
YDS-2 1962  
YDS-3 1964
YM1 1965
R1 1967
HS1 1968  
DT-1 1968
AT-1 1969  
HT-1 1970
RT-1 1970  
XS-1 1970
DX250 1970
TX750 1972
GT50 1972  
Chappy(LB50II) 1973  
RD250 1973
Zippy(LB50IC) 1973  
TX500 1973
GR50 1976  
XT500 1976  
GX750 1976
Passol(S50) 1977  
XS1100 1977
SR500 1978
XT250 1980
RZ250 1980
BELUGA(CV50E) 1981  
XJ750E 1981
XZ400 1982
Popgal(MS50E) 1982  
XVZ1200 Venture Royal 1982
Tracy(CZ125) 1983
RZ250R 1983
FZ400R 1984
RZV500R 1984
DT200R 1984  
SRX600 1985
SEROW225 1985
SDR 1987
BW‘s(CW50) 1988  
R1-Z 1990
VMAX 1200 1990
二輪(レーサー:オンロード) YDS-1(浅間仕様) 1959  
RD56 1965
RA97 1966  
RA31A 1968  
RD05A 1968
RF302 1969  
TD3 1971  
YZR500(0W20) 1974  
YZR500(0W35K) 1978  
YZR750(0W31) 1978  
FZR750(0W74) 1985
YZR500(0W81) 1985
YZR250(0W82) 1986  
二輪(レーサー:オフロード) YZM500(0W83) 1988  
YZ250M 1988  
四輪 Toyota 2000GT 1967
YAMAHA OX99-11(赤) 1992
YAMAHA OX99-11(緑) 1992
YAMAHA OX99-11(黒) 1992
Lexus LFA 2010
タイムスケジュール
12:00 開場
13:30

15:30
デモ走行
1回目
二輪(市販車)
四輪
二輪(レーサー)
16:00

16:45
デモ走行
2回目
二輪(市販車)
二輪(レーサー)
四輪
17:00 閉会

<お詫び>

天候に恵まれたことに加えて8年振りの開催となったこともあり、当日は会場施設の許容量を遥かに超えたご来場を頂くことになりました。駐車場の不足、交通渋滞、それに伴うシャトルバスの遅延などが発生してしまい、多くのご来場の皆さまと近隣にお住まいの方々に多大なる御迷惑をお掛けすることになり、誠に申し訳ありませんでした。

また、会場内でも運営の不手際や対応の拙さで不愉快な思いをされた方もいらっしゃったと思います。皆様から頂いたお叱りやご指摘を真摯に受け止め、今回の反省を活かして今後の改善に努めさせて頂きます。今後も引き続き、ご理解のほど宜しくお願い致します。

ページ
先頭へ