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細部の熟成で戦闘力&信頼性を向上 ‘03ヤマハモトクロッサー YZ250、YZ125、YZ85、YZ85LW発売について

2002年6月14日発表


 ヤマハ発動機(株)は、水冷2ストロークエンジン搭載のヤマハモトクロッサーシリーズ「YZ250」「YZ125」について、エンジン、車体の細部を熟成させ戦闘力アップを図った2003年モデルを設定し、7月15日より発売します。
 また、モトクロス入門者向けとして人気の「YZ85/YZ85LW」についても一部仕様変更を行なった2003年モデルを設定し、7月22日より発売します。各モデルとも価格は据え置きです。

ヤマハモトクロッサー「YZ125」
ヤマハモトクロッサー「YZ125」


<発売日>
「YZ125」「YZ250」 2002年7月15日
「YZ85」「YZ85LW」 2002年7月22日
<カラーリング> ディープパープリッシュブルーソリッドE


主な変更点と特徴

 2003年モデルYZ125/250は、従来モデルの高い戦闘力を継承しつつ、“実戦でのトップポテンシャル熟成”をコンセプトに開発したモデルです。特に、フレーム&リヤアーム剛性の見直し、アルマイト処理リヤアーム、サスセッティング変更、新設計リヤブレーキ採用など、車体関連の熟成を中心に総合的ポテンシャルアップで、高い戦闘力を引出しました。
 また、YZ85/YZ85LWは、一部仕様変更で信頼性を向上させました。

■YZ125の変更点

《エンジン関係》
1) 新作シリンダー採用、YPVSバルブのシール性アップ

 排気ポート形状変更を施した新作シリンダーを採用しました。また、これに連動して燃焼室形状を最適化し、回転全域での優れたパワーフィーリングを実現しました。排気タイミングをコントロールしてトルク谷を解消するヤマハ独自のYPVSは、バルブに全閉時のホルダーを追加してシール性を向上、低回転域でのパワーフィーリングを向上させました。

2) キャブレターセッティング、リードバルブ肉厚変更
 レスポンスに優れるTMXχ38キャブレターは、バイパスポートの形状変更、エアスクリュの形状変更等で全域での性能向上及び低速域でのキャブレーションの安定化を促進。またジョイントマニフォールドの形状変更を行ない、優れた吸気効率を実現しました。
 またリードバルブ厚は、現行モデル比で0.05mm薄肉設計して最適化を行ない、高速性能及びオーバーレブフィーリングの向上を図りました。
 
3) その他の変更
 上記のエンジン特性変更との最適マッチングを図るため、5速ミッションは1速、2速をローギアード化し、駆動力を効果的に引きだしました。
 また、オプションでフライホイールマグネトー(慣性モーメント大)を設定し、幅広いセッティングニーズに対応しました。

《車体関係》
1) 剛性バランス向上を図ったセミダブルクレードルフレーム

 メインパイプ部への長円形パイプ材採用などで最適化を図り“縦方向にしなり易く、横・ねじれ方向に強い剛性”を実現して好評の現行型をベースに、一部仕様変更でバランス向上を図った新フレームを採用しました。長円形パイプのメインフレームは、ガセットを廃し肉厚をt1.6mmからt1.8mmへ拡大、一方クロスチューブパイプ径はt2.6mmからt2.3mmへと薄肉設計で最適化を図り、優れたハンドリング特性を引出しました。

2) アルマイト処理採用の軽量アルミ製リヤアーム
 アルミ製リヤアームは、(1)リヤエンド部小型設計、(2)リヤエンド部への肉抜き追加(軽量化)、(3)ファクトリーマシンを彷彿させるアルマイト処理、などを行ない軽量化、外観品質向上、キズ抑止を図りました。

3) 前後ブレーキの仕様変更
 フロントブレーキは、ピストン材質を樹脂からアルミに変更し、また形状最適化を行ない、軽量化とソリッドな制動フィーリングを実現しました。
 リアブレーキは、マスターシリンダー及びキャリパーを新設計しました。リザーブタンクとマスターシリンダーは、従来の別体を廃し一体設計しスペース効率を向上、合わせて軽量化を実現しました。また、キャリパーピストン径は27mmから25.4mmへ小径化し、パッド面積のピストン径に対する最適化を行ない、軽量化と剛性バランス最適化を図りました。なお、キャリパープロテクターも仕様変更して軽量化を図りました。

4) その他車体関連の変更
 その他、前後サスペンションのセッティング変更、新型ハンドルバー採用を行いました。

■YZ250の変更点
 
《エンジン関係》
1) 新作シリンダー採用

 排気ポート形状変更を施した新作シリンダーを採用しました。また、これに連動して圧縮比を見直し、回転全域での優れたパワーフィーリングを実現しました。

2) クランクシャフト、ローターの剛性アップ
 エンジンの性能向上に合わせ、クランクシャフトはテーパー部径を17mmから18mmへアップ、ナット部はM10からM12へとサイズを拡大し剛性アップを行ない、信頼性を向上させました。

3) 2速レシオ変更
 2速のレシオをハイギアード化(1.563→1.533)しました。

《車体関係》
'03「YZ125」と同様の変更を実施しました。車体の構成は、フレームへのエンジン懸架及びリアタイヤサイズを除き、YZ125、YZ250は同一仕様です。

■YZ85/YZ85LWの特徴と変更点
 
 YZ85/YZ85LWは、(1)クラスNo.1のエンジン性能&レース戦闘力、(2)コンペティティブなサスペンション・ブレーキ性能、(3)自由度の広いライディングポジション、(4)上級モデルとシリーズ化したシャープなスタイルなどが特徴で、モトクロス入門モデルとして幅広い支持を得ています。
 搭載の2スト85ccエンジンは、大容量エアクリーナーやPWK28キャブレター、排気系の最適設計で優れた出力・トルク特性を実現。また上級モデルのYZ125/250同タイプのバルブ構造をもつフロントサスペンションを採用し、高次元のクッション特性を実現しています。
 2003年モデルでは、新たに、1) 新型ボス採用によるクラッチの信頼性向上、2) 新型チェーンガイド採用による信頼性向上、3) リアフェンダー仕様変更(剛性アップ)などを行い、信頼性向上、商品性向上を図りました。


2003年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ125』仕様諸元(日本仕様)
全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量
2,129×827×1,311mm
991mm
1,438mm
397mm
87.0kg
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
水冷2サイクル・クランク室リードバルブ
単気筒
124 cm3
54.0×54.5mm
8.7~10.8:1
28.7kW(39.0PS)/11,500rpm
25.5N・m(2.6kgf・m)/10,000rpm
キック
混合給油
8.0L
TMXχ38
C.D.I.
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比

フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
3.368/3.769
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進5段
1速/2.308 2速/1.867 3速/1.526
4速/1.263 5速/1.087
セミダブルクレードル
25°36′/106 mm
80/100-21-51M/100/90-19-57M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2003年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ250』仕様諸元(日本仕様)
全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量
2,176×827×1,292mm
988mm
1,481mm
391mm
97.0kg
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
水冷2サイクル・ピストンリードバルブ
単気筒
249 cm3
66.4×72 mm
9.0~10.6:1
38.9kW(53.0PS)/8,000rpm
49.0N・m(5.0kgf・m)/7,500rpm
キック
混合給油
8.0L
PWK38S×1
C.D.I.
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比
フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
3.000/3.571
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進5段
1速/1.929 2速/1.533 3速/1.278
4速/1.091 5速/0.952
セミダブルクレードル
27°6′/117mm
80/100-21-51M/110/90-19-62M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2003年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ85』仕様諸元(日本仕様)
全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量
1,821×758×1,161mm
864mm
1,258mm
351mm
66kg
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
水冷2サイクル・クランク室リードバルブ
単気筒
84.7 cm3
47.5×47.8mm
8.2:1
21.3kW(29PS)/12,000rpm
17.26N・m(1.76kgf・m)/10,500rpm
キック
混合給油
5.0L
PWK28×1
CDI式
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比

フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
3.611/3.357
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進6段リターン
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000
セミダブルクレードル
26°18′/88mm
70/100-17 40M/90/100-14 49M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2003年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ85LW』仕様諸元(日本仕様)
全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量
1,903×758×1,205mm
904mm
1,286mm
393mm
69kg
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
水冷2サイクル・クランク室リードバルブ
単気筒
84.7 cm3
47.5×47.8mm
8.2:1
21.3kW(29PS)/12,000rpm
17.26N・m(1.76kgf・m)/10,500rpm
キック
混合給油
5.0L
PWK28×1
CDI式
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比

フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
3.611/3.714
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進6段リターン
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000
セミダブルクレードル
27°/106mm
70/100-19 42M/90/100-16 52M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム
●LW=ラージホイールの略

ヤマハモトクロッサー「YZ250」
ヤマハモトクロッサー「YZ250」

ヤマハモトクロッサー「YZ85」
ヤマハモトクロッサー「YZ85」

ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」
ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」

 

<メーカー希望小売価格> 『YZ250』 599,000円
  『YZ125』 499,000円
  『YZ85』 309,000円
  『YZ85LW』 319,000円

 


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